2009年6月23日火曜日

Vol.2 そんなはずない!

ハンターギルドの本部はフェイヨン地方にある……らしい。正確な場所は公表されていないので、たとえギルドの構成員であっても、案内係の手引きなしに訪れることはできない。エルピナは来るたびに「面倒だから場所を教えろよ」と言っているリネ2 RMTのだが、いつrmtもはぐらかされてしまう。
 そこはとてつもなく広い場所で、見渡す限りケージがKnightonline(ナイトオンライン)続いている。それぞれのケージにファルコン一羽ずつだが、大型猛禽類用だけに一つ一つがかなりのサイズだ。
 飼育場には実にさまざまなファルコンがひしめいていた。興味のない者の目にはすべてのファルコンが同じに見えるらしいのだが、エルピナには信じがたいことだ。
 こうして見比べれば、はっきりとわかる。翼の色?模様、体のサイズ、顔つきやくちばしの形状も一羽ずつ異なっている。ちょっと付き合ってみれば、性格だって千差万別だということにもすぐに気づくだろう。
「これも気に入らないのか」
 ブラウンが眉をひそめた。先ほどからエルピナは兄のすすめるファルコンにことごとく首を振っている。
「そうなると、あとはさっきのジーマだけだな」
 ブラウンがエルピナの腕前を確かめるために使った雉色のファルコンは、すでに自分のケージに戻されている。
「え、そんなことないでしょ。まだ見てないファルコンがいるでしょ」
「いや、これで全部だ」
「そんなはずない!」

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